さぁ、山登りするぞ!ってときに
なんと!!!
いのししの赤ちゃんに遭遇しました!
最初どこからかなにか動物の声が聞こえるぞ?!と思って回りをキョロキョロと見渡すとなんとそこにはものすごく小さいイノシシの赤ちゃんがいて必死に鳴いていたんです!!
回りを見渡してもお母さんイノシシも見当たらないし(←もしいたらわたしは大変なことになってたと思う。)兄弟の姿もない。
産まれて間もないのになぜこんなところに?!
と思って上を見上げて気付きました。
あ~たぶん上から落ちてきてしまったんだと。
どうすればいいんだ、このままだと赤ちゃんは死んでしまうし、下手にわたしが触れば赤ちゃんに人間の匂いがついてお母さんイノシシが見つかっても面倒を見ないかもしれない....と
色々と考えてたら頭が大混乱!
しかも、途中で溺れそうになってもう救出するしかない!と思ったらなんとか自力で這い上がった赤ちゃん。
よかったぁぁ~
心臓が止まるかと思ったぁぁ
わたしは自然の摂理だとかなんとかでこの赤ちゃんを見捨てることはできない。だってそんなことを言ったら人間が一番自然の摂理を壊してるんだしね!
わたしは充電も少なくなっていたので
動画撮影をやめイノシシの飼い方や保護の仕方をGoogleで検索し始めました。
すると、こちらに向かって歩いてくる人の姿が!お母さんと息子さんの2人組みでした。
その二人もイノシシの姿に気づいて
『あら!イノシシの赤ちゃんなの!?』
って、驚いてました。
『お母さんはどこ?かわいそうに』
すると、今度は60代くらいのご夫婦らしき二人組が現れました。そのお二人は、色ちがいのお揃いの登山服を身に付けていて登山が趣味なのかな?という感じの装い。そのご夫婦も赤ちゃんを見るなり
『ありゃ、イノシシの赤ちゃんだね』
って・・・・・でも、全然驚いた様子もなくなんとおじさまの方がピョンピョンと岩を軽々と飛び越えて赤ちゃんに近づいたので
えーーーーっ!!!
ってビックリ
それを見てる奥さんは慌てる様子もなくほほえんでいるだけ(・・;)
だめだよ!おじさん!そんな遊び半分でさわったら!と思ったら、そのおじさん妙に慣れた様子で赤ちゃんを捕まえて
『こ~りゃ、生まれたばっかりだわ!へその緒ついてるわ!』
って、そこらへんに落ちてた木の棒でへその緒を取っていた。
確かにへその緒らしきものがチラッと見えたのです!
もう、わたしは←こんな顔になってたと思う。
そして、その赤ちゃんを抱えたまま
こちらに寄ってきて赤ちゃんをわたしたちに見せてきたのです。
そして、
『もうこれで何度目かなぁ~イノシシの赤ちゃんを拾ったのは!あははは~』
『そうですねぇ~、わたしたち山登りが趣味でね、イノシシの赤ちゃんを何回も拾ったのよ~んふふふふー』
って、夫婦で微笑んでいる。
なんなんだこの余裕は!!!!
『えーそうなんですか!?わたし赤ちゃん見つけてどうしようかと思ってたんです・・・・』
『イノシシはねぇ、なつくんだよ~!でも大きくなると野生心が出て来て手がつけられなくなるんだよ。だからそうなったら山へ返すんだよ』
『お父さんどうするんです???』
『また育ててやるかぁ~』
『いいんですか?もう今から山へは登れませんよ』
『しかたない。ほっとけんだろ。近くのスーパーで牛乳買って帰ろう!』
えー!!!!
なんか猫の赤ちゃんでも拾ったみたいに
淡々とご夫婦の間で話が進められてますけど
イノシシの赤ちゃんなんですけどね!?!?
そんな簡単に牛乳買って帰ろうって・・・・
でも、そのご夫婦全然困った顔ひとつもしなくてすごくニコニコしていたんです。
『心配しないで。わたしたちはイノシシ育てるのに慣れてるから。もうわたしたちは山登りできないからこの子もってまた戻るけど、あなたちは山登りを楽しんで。それじゃあ』
『え、あ、お、お願いします。』
泣きわめくイノシシと一緒にご夫婦は駐車場の方に戻って行かれました。
しあわせになってね、イノシシちゃん。
それにしても、なんという良いタイミングでそのご夫婦が現れてくれたんだろう・・・奇跡だと思わずにはいられませんでした。
もうほんと驚きですもし、そのご夫婦がその日にその時間にそのタイミングに現れてくれなかったら今頃わたしが世話をしていたかもしれない。この出会いに感謝です。
そして山登りを諦めてイノシシの赤ちゃんを助けることを優先し、物怖じせずずっとニコニコしていらっしゃったご夫婦に感激しました。
本当に嬉しかったです。
今日は話が長くなってしまいましたが
最後まで読んでくださってありがとうございました!
S.A
Source: カラマ・スッタブログ~異国人同士で歩む道